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世界のお茶文化を巡る|イギリス、ロシア、トルコの紅茶の楽しみ方

紅茶文化とティータイム

朝の一杯でほっとしたり、午後のティータイムに気分転換したり。

そんな日常の中にある紅茶ですが、世界を見渡してみると、その楽しみ方は実にさまざま!

この記事では、イギリス・ロシア・トルコという3つの国をピックアップして、それぞれの紅茶文化をじっくり旅してみたいと思います。

どの国も、紅茶が人と人をつなぐ大切な存在として根付いていて、そこには歴史や風習、暮らしの知恵がたっぷり詰まっているんです。

紅茶を通じてその国の暮らしをのぞいてみると、「文化」って思ったより身近なんだなって感じられるかもしれません。

それでは早速、紅茶とともに世界のティータイムを巡ってみましょう♪

イギリス編:アフタヌーンティーの国で愛される紅茶スタイル

イギリスといえば紅茶。

これはもう世界的にも有名な話ですよね。

イギリスの紅茶文化は、ただの飲み物ではなく、暮らしの一部として深く根付いています。

朝食と一緒に飲む「イングリッシュ・ブレックファスト」、午後のひとときを優雅に彩る「アフタヌーンティー」、そして夕食後のリラックスタイムにも紅茶が登場します。

紅茶の種類も豊富で、アッサム、ダージリン、アールグレイなど、用途や気分に合わせて飲み分けるのがイギリス流です。

なかでも有名なのが「アフタヌーンティー」。

これは19世紀、ベッドフォード公爵夫人アンナが始めた習慣がきっかけとされています。

昼食と夕食の間が長すぎて小腹が空くから…という理由で始まったそうです。

紅茶と一緒にスコーンやサンドイッチ、ケーキを楽しむスタイルは、今ではすっかりイギリスの伝統として定着しています。

また、「ハイティー」と呼ばれるスタイルもありますが、これは労働者階級の夕食に近いもので、アフタヌーンティーとはちょっと異なる文化です。

紅茶とともに温かい料理を楽しむスタイルで、どちらかというと実用的なティータイムと言えるかもしれません。

自宅でイギリス風の紅茶を楽しむなら、ミルクティーがおすすめです。

熱湯でしっかりと紅茶を抽出し、濃いめに淹れてから温めたミルクを加える。

甘さはお好みで砂糖を加えて調整すると、本場の味に近づきます。

イギリスの紅茶文化は、格式ばったものではなく、日常の中にある心の余裕のようなもの。

紅茶を淹れる時間そのものが、自分を整えるひとときになっているのかもしれませんね。

ロシア編:サモワールとともに楽しむ濃厚な紅茶文化

ロシアでも紅茶はとても重要な存在で、日々の暮らしや人とのつながりの中で欠かせない飲み物となっています。

コーヒーよりも紅茶の方が人気というのも、少し意外に感じるかもしれませんね。

ロシアの紅茶文化でまず注目したいのが、「サモワール」という伝統的な湯沸かし器の存在です。

サモワールは金属製の大きな容器で、中央に火を通す筒があり、そこに炭や電熱を入れてお湯を沸かします。

お湯の上には濃い紅茶(「ザヴァールカ」と呼ばれます)を入れた小さなポットをのせておき、飲むときにお湯で濃さを調整するのが基本的なスタイルです。

この濃い紅茶に角砂糖をかじりながら飲んだり、なんとジャムを入れて甘くして飲むこともあります。

ジャムを口に含んでから紅茶をすするスタイルは、ロシアならではのユニークな習慣です。

歴史をひもとくと、ロシアに紅茶が入ってきたのは17世紀。

中国とのキャラバン貿易を通じて広まりました。

ロシアの厳しい寒さの中で、体を温める手段として紅茶はぴったりだったのです。

そしてやがて、紅茶は家庭や職場、集まりなどあらゆる場面に浸透していきました。

現代のロシアでも、紅茶は日常的に飲まれており、サモワールの代わりに電気ポットを使ったり、ティーバッグで手軽に楽しむ人も多くなっていますが、その根底にある“人と語らいながら温かいお茶を飲む時間”という文化は、今でもしっかりと残っています。

紅茶は、ロシア人にとっての“おもてなし”や“癒し”の象徴。

どこか懐かしさを感じさせるその飲み方に、心までじんわり温まる気がします。

トルコ編:チャイグラスで味わう温かなもてなしの心

トルコの街角を歩くと、あちらこちらで小さなグラスに注がれた紅茶を見かけます。

透明なチューリップ型のグラスに、深い赤色の紅茶が注がれている様子は、どこかエキゾチックで魅力的です。

トルコではこの紅茶を「チャイ」と呼びます。

コーヒーの国というイメージも強いかもしれませんが、実は紅茶の消費量は世界でもトップクラス。

どこの家庭でも、仕事場でも、そしてお店でも、チャイは欠かせない存在です。

トルコの紅茶文化の中心にあるのが「チャイダンルック」と呼ばれる二段式のティーポット。

上の小さなポットで濃い紅茶の原液(デミリ・チャイ)を作り、下の大きなポットでお湯を沸かします。

飲むときは、この濃い紅茶をグラスに少し注ぎ、お湯で好みの濃さに調整するというスタイルです。

砂糖をたっぷり入れる人もいれば、無糖で飲む人もいます。

ただし、ミルクを入れる習慣はありません。

グラスの中の紅茶の色を楽しみながら、温かいうちに飲み切るのがトルコ流。

温度が下がると香りが飛んでしまうからだそうです。

トルコでは、紅茶を通じた“もてなし”の文化がとても大切にされています。

家にお客さんが来たときには、必ずチャイを出すのが礼儀。

バザール(市場)でも、店主が紅茶をすすめてくれることがよくあります。

観光客にも気軽にチャイを振る舞ってくれる人が多く、それだけでその国の温かさを感じることができます。

チャイグラスを手に、ゆっくりと紅茶を味わう時間。

そこには、忙しさの中でも人とのつながりや、ちょっとした気遣いを大事にする心が表れています。

まとめ:紅茶でつながる国々、文化を味わう楽しみ

イギリス、ロシア、トルコ――それぞれの国で紅茶の飲み方や文化は大きく異なりますが、共通しているのは「人と人をつなぐ存在」であるということ。

イギリスでは日常の中にあるリラックスのひとときとして。

ロシアでは濃くて温かい紅茶を囲んで語らう時間として。

トルコでは、見知らぬ人とも心を開くもてなしの象徴として。

どの国でも、紅茶を飲むという行為の背景には、その国ならではの価値観や人との関わり方が反映されています。

だからこそ、紅茶を味わうことは単なる飲食ではなく、文化を感じる体験そのものなのだと思います。

今度、自宅で紅茶を淹れるとき、少しだけ国によって違う飲み方やスタイルを試してみるのも面白いかもしれません。

ただの一杯が、いつもより少し特別なものになるはずです。

紅茶がくれる小さな旅。

それは遠い国の人たちと、心のどこかでつながれる、そんな時間でもあります。

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